除夜祭というのがありまして、人には108の煩悩があると言われ、その煩悩を祓うために、除夜の鐘を108回つくんですが、今年は107回しかつかなかったそうです。和尚さんに理由を聞きましたら、大晦日の前にゴーンが1つレバノンに逃げたからだそうです。
皆さん明けましておめでとうございます。
昨年の忘年会で、盆踊りと七夕の短冊コンテストを行いましたが、正月休み中に思うところがあり、“気づき”がありましたので追加表彰します。
Nさんの“とりあえず運気が上がりますように”です。忘年会では、“運気が上がりますように”というのは、仕事でもプライベートでも、金銭面でも恋愛面でも何でも使えるので、すばらしいということで表彰しましたが、次の日の朝、私は夢を見ました。“とりあえず”というのは、まずは手始めにということで、あとでまたお願いすることがあると、本命はまだ残していますと予告している訳です。お願いする側の立場の人が、七夕の神様に対して、願い事を小出しにして、神様を手玉に取って神様を脅迫しています。この大胆不敵な厚かましさに対して「殊勲賞」を授与します。
次はYさんです。罰ゲームでタバスコとわさびとカラシを食べて、誰が何を食べたかを当てるゲームですが、Yさんがタバスコを食べていたのにまったく分かりませんでした。幹事の人が「タバスコは半端じゃないですよ」と言っていたのに、涙目にもならず、表情もひとつも変わりませんでした。すばらしい、母は強しです。この人間離れしたエイリアンかゾンビに対して「演技賞」を授与します。
昨年三月までの前期では赤字決算だったので、トップ幹部の減給、幹部の役職手当のカット、昇給ナシ、賞与の減額など、色々な対策を講じた結果、今期は現在3/4終わりましたが、順調に回復しています、ありがたいことです。
八幡東区の清田から、こちら八幡西区の陣原に引っ越してきて15年になるのですが、6年前に1度決算が赤字になりましたが、翌年V字回復しました。そして今回の赤字です、時間がたつと気がゆるむのか、ぬるま湯に入ったのか、緊張感が薄れて努力を怠った結果なのでしょう。人間は軽くて楽な方になびくものなのです、“つまづいたっていいじゃないか人間だもの(相田みつを)”。しかし、失敗してもすぐに立ち直らなければいけません。回復しなければ落ちこぼれていってしまいます。
ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんは、ソチウムイオンの開発の過程で「失敗して、失敗して、失敗して成功に結びついた」と言ってます。
天才は成功もするが失敗もする。秀才は安全策を好み、凡人はチャレンジさえもしないので失敗しない、これはひとえにチャレンジするかしないかの差なのです。人生は「トライアンドエラー」の積み重ねです。トライしてエラーをすれば、反省して改善して、次のトライの成功する確率は上がります。次のトライでもエラーをしたとすれば、「何故、どうして」と、失敗の原因を追究して改善すれば、次のトライはもっと成功する確率は上がります。失敗はそのあとにトライしないから失敗で終わるのです。成功するまでトライを続ければ、前の失敗は成功する為の手段になります、“失敗は成功の基”です。
「一年の計は元旦にあり」と言いますように、今年の計画を立ててみます。
SDGs(エスディージーズ・持続可能な社会に向けて、新事業を構想し、人材を育成する)を実践するには、今年一年の計画でなく中・長期的(5年~10年~20年)な観点から、その中の1年毎の目標を設定して実践することが大切です。そしてその実績を踏まえてチェックし判定して、計画を見直して修正していくことを繰り返すことです。
本年のSDGs(持続可能な開発目標)は「労働人口不足(技術者不足)に対して備える」ことです。
現在私達の業界の「建設業」に於いて、労働人口(技術者)は足りています。しかし高齢化現象で、高い年齢層の人たちが全体の大半を占めていますから、近い将来(3年~8年)、高齢者がリタイア(引退)すると労働人口は激減することになります。
後継者(若い世代の技術者)を育てるには時間が掛かります、初心者を一人前の技術者に育てるには長い年月が必要です。早めに取り掛かっておかないと、何年か先になると手遅れになっています。種をまいて、水や肥料をやり、修理や直して、花が咲き、実を結んで収穫することが出来るように、時間を掛けて、丹精を込めて人材を育成していかなければなりません。
技術者をランク付け(上・中・並、上級・中級・低級、レベル5・4・3・2・1)して、各分野で育てて、向上心のある人は上級を目ざして、それなりの人は、その分野でず~っと勤める。人それぞれ考え方が違いますから、自分に合った「形(タイプ)」を選択して、自由に生き生きと伸び伸びと仕事をしてもらうということです。
「女性の参画」。建設業は肉体労働が主で、身体も大きく、力も強い男の方が優位になります。女性を差別するのではなく、保護(守る)されていると思います。実際に、災害時の救援活動、放射線量の多い原子力事業、危険の多い戦争など、過酷な条件での仕事はほとんど男性が行います。男らしさと女らしさの差異はホルモンの作用によることが大きいです。男性ホルモンの“テストステロン”は、男の子の9才から14才までに20倍も増えます。特徴は、筋肉が発達し運動能力を向上させて、取っ組み合いのような男の子同士の遊びに備えさせます。もう一つは、朝から夜中まで、昨日も今日も明日も女の子のことで頭がいっぱいになります。女性ホルモンの“エストロゲン”は、女の子にコミュニケーション能力を発達させておしゃべりになるとともに、他者の表情を読み取る共感力を強化します。生まれながらにして、これほどの男女差がある訳ですから、肉体労働が主体の「建設業」に於いて、中級または低級クラスの仕事を女性に参画してもらいたいと思います、男性は難易度の高い、厳しい条件の上級クラスを目ざしますから、これが「ダイバーシティ(多様性の受容)」の原点です。
東レは「炭素繊維」で、米ボーイング社(航空会社)と一兆円ものビジネスを獲得しました。この業績の裏付けは、40年間にも及ぶ継続的な研究・開発があったからです。旭化成のリチュームイオン電池の開発もそうです。旭硝子(AGC)は、建物の窓を携帯電話の基地局化できる、透明な「ガラスアンテナ」の開発に世界で初めて成功しました。長い間、途絶えることなく続けてきたから成就できた訳で、これが「SDGs」です。
この成功の背景にあるのは、その会社の研究・開発費の持続的な配分です。結果を急ぐのではなく、じっと我慢して、社員を信頼して、企業が予算を計上してくれたからです。
一方、アメリカではこれが出来ません。何故かというと、株主がいるからです。お金を出資している株主は、配当を貰わなければいけないから、利益の出る目先のことばかりにこだわるのです。だから長くかかる研究・開発には目もくれない訳です。まったくSDGsと逆行していることになりますが、すぐに利益をもたらさないモノにお金を出すには、業績の裏付けが必要です。長期的な視野と総合的な経営が要求されます。
一方、私達の建設業に於ける「SDGs」は何かと言いますと、「工事の安全」と「品質の安全」に予算を計上することだと思います。
私達は、ヒット商品を生み出すアイディアもいりませんし、新しいモノを発明する研究・開発費を計上する必要もありませんから、安全(工事と品質)にお金をかけるべきです。
「怪我と弁当は自分もち」と言われ、安全は自分が気を付けるのであって、会社が安全にお金を掛けることはありませんでした。でも、今はそれでは通用しません。工事の安全と品質の安全を怠ったら致命傷になって、企業の存続に関わります。
「安全第一」ですから、お金もかかり、時間も費やし、効率が悪くなり、生産性も下がるかもしれませんが、敢えて取り組む、妥協しない覚悟が大事です。
「安全とは動くな」と亡くなった誰かが言ってましたが、それでは仕事になりません。仕事を知らない人は安全は分かりません。仕事をする中で危険要因を排除することが安全ですから、「安全第一」ではありません、「仕事第一」で「安全も第一」が正しいと思います。
「安全作業」は手間暇かかりますが、毎回ちゃんと意識してやる、それを繰り返しているうちに、無意識に意識できるようになったら良い訳です。
リーダー(責任者・監督者)は常に現場に居ることを推奨しています。事故の98%は現場にリーダーがいない時に起きています(私の推測)。つまり、現場にリーダーが居れば事故は起きないのです。リーダーが現場に居れば、作業員も緊張感があり手抜き工事もしません。リーダーが離れた所から見ていると危険要因も見つかりますから注意もできます。現場に居ると、色んなことが見えてきます。現場に居るだけで、あらゆることが見えてきて、全てが解決します。そういうふうになっていて、そういうものなのです、マチガイナイ。
今年の大河ドラマで「麒麟がくる」がありますが、その主人公が明智光秀です。「本能寺の変」で主君・織田信長に対して、家臣の光秀が謀反した事件で、「三日天下」で有名ですが、光秀は生涯一度しか戦場で戦ったことのない武士で、その一度が謀反のあと13日後に豊臣秀吉に滅ぼされた戦いでした。
「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」。戦国時代の武士は、「武勇と廉恥」を重んじました。「武勇」とは、武術にすぐれ、勇気のあること。強くて勇ましいこと。「廉恥」とは、心が清らかで、いさぎよく恥を知る心が強いこと。惨めな状態で生き長らえることを忌み嫌いました。戦場で戦うことを率先し、いつ死んでも良いと覚悟を決め、生き残れることが「誉れ」で、つまり「武運長久(武人として命運が長く続くこと)」を祈ることになります。織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も戦場に出て戦いました。その時代、リーダーが先頭に立って率先垂範しないと部下は付いていきません。私は上杉謙信が大好きです。彼は常に戦の先頭を切って戦いました。ノブレス・オブリージュ(一番辛いことこそ上の人間がやるべきだ)です。だから部下がみんな親方様に付いていき、強い軍団が出き上がりました。現場重視が最高です。
明智光秀は現場を知らない官僚です。デスクワークだけでは部下はついてきません。策略や計略だけでは天下は取れないと思います。いつの時代でも「現場力」が大切です。
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